検査の見方
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- 受診者の皆さまへ
- 1. 身長・体重・BMI・腹囲
- 2. 血圧
- 3. 視力
- 4. 眼底・眼圧
- 5. 聴力
- 6. 呼吸機能
- 7. 心電図
- 8. CAVI/ABI
- 9. 肝機能
- 10. 膵機能
- 11. 糖代謝
- 12. 脂質
- 13. 腎機能
- 14. 痛風
- 15. 電解質
- 16. 血液一般
- 17. 尿定性・尿沈渣
- 18. 便検査(便潜血)
- 19. 胃がんリスク(ABC検診)
- 20. 炎症反応(CRP定量)
- 21. 腫瘍マーカー
- 22. 心機能
- 23. 感染症
- 24. STI(性感染症)
- 25. ウイルス抗体
- 26. 甲状腺機能
- 27. アレルギー検査
- 28. ビタミンD・亜鉛
- 29. 抗ミュラー管ホルモン(AMH)
- 30. PET-CT検査
- 31. MRI検査
- 32. 頸動脈超音波
- 33. CT検査
- 34. 内臓脂肪型肥満とは
- 35. 心臓超音波
- 36. 胸部X線(レントゲン)検査
- 37. 上部消化管造影(バリウム)検査
- 38. 上部消化管内視鏡(胃カメラ)
- 39. 下部消化管内視鏡(大腸カメラ)
- 40. 腹部超音波
- 41. 骨塩定量(骨密度)検査
- 42. マンモグラフィ検査
- 43. 乳房超音波検査
- 44. 婦人科内診
- 45. 子宮頸部細胞診
- 46. 子宮体部細胞診
- 47. メタボリックシンドローム判定
- 48. 特定健診・特定保健指導
受診者の皆さまへ
健診はスクリーニング(病気を早期に見つける)が目的です。異常が見つかった場合や判定が要精密検査に該当する場合は判定医のコメントや結果報告書の指示に従い、速やかに主治医または専門医を受診してください。検査で異常がなかった場合でも、症状が気になる場合は主治医もしくは専門医に相談することをお勧めします。検査結果の読み方や用語で不明点があれば、健診ステーションの相談窓口または受診した医療機関へお問い合わせください。
1. 身長・体重・BMI・腹囲
身長・体重からBMI(Body Mass Index)を算出し、肥満度を評価します。BMIは体重(kg)÷(身長(m)×身長(m))で求められ、一般にBMI 25.0以上を肥満の目安とします。腹囲は内臓脂肪の蓄積を推測する指標で、立った状態で両足を揃え、両腕を自然におろした状態で計測します。
男性85.0cm以上、女性90.0cm以上を内臓脂肪型肥満の目安としています。医師診断による総合判定(メタボ判定・特定健診・特定保健指導)も合わせてご参照ください。
健診にて指摘されやすい内容
肥満(BMI 25以上)
高血圧、脂質異常症、糖尿病、脂肪肝、心血管疾患(脳卒中・心筋梗塞)のリスクが高くなります。生活習慣の改善(減量、運動、食事療法)が基本です。
低体重(BMI 18.5未満)
栄養不足や何らかの基礎疾患の存在が考えられます。短期間での体重減少は要注意です。
内臓脂肪型肥満(腹囲基準超過)
内臓周囲に脂肪が過剰に蓄積する肥満で、生活習慣病のリスクが高いタイプです。
メタボリックシンドローム
内臓脂肪型肥満に高血圧、高血糖、脂質異常が組み合わさった状態です。動脈硬化を引き起こす危険因子が複合しているため、生活習慣の改善が必要です。
2. 血圧
血圧は、心臓が血液を全身に送り出す際に血管にかかる圧力で、”収縮期血圧”(心臓が収縮して血液を送り出す時の最大圧力)と”拡張期血圧”(心臓が拡張して血液を取り込む時の最小圧力)の二種類で表されます。血圧を測定することにより、血管や心臓への負担を評価します。血圧は日内変動があり、日中は高くなり、夜間は低くなる傾向があります。食事や喫煙、入浴、排せつなどの動作でも一時的に上昇することがあります。また、医療機関で緊張などで血圧が高くなる「白衣高血圧」や、家庭で高くなる「仮面高血圧」もあります。 そのため、ご自宅で血圧を測り、本来の血圧を確認することが大切です。また、高血圧は放置すると動脈硬化が進み、心筋梗塞や脳卒中のリスクが高まります。早期発見と適切な治療による予防が望まれます。
健診にて指摘されやすい内容
高血圧症
持続的な高血圧は脳卒中・心筋梗塞・腎障害・認知症のリスクを高めます。生活習慣改善(減塩、運動、節酒、禁煙)や薬物治療が必要です。
3. 視力
視力検査は目の見る力を評価し、屈折異常や目の病気の早期発見に役立つ検査です。裸眼視力もしくは眼鏡・コンタクトを装着した矯正視力を測定し、近視・遠視・乱視などの屈折異常や、白内障・緑内障・網膜疾患などの目の病気の兆候を確認します。成人の正常視力は矯正視力で両目で1.0以上、片目で0.7以上とされます。検査は短時間で行えます。
4. 眼底・眼圧
眼底検査は網膜や視神経、網膜血管など目の奥の状態を観察します。緑内障、高血圧・糖尿病による網膜症、加齢黄斑変性など目の病気を早期に発見できます。眼底は体内の血管の状態を直接確認できる唯一の場所であるため、高血圧や糖尿病、動脈硬化など全身の健康状態の手がかりにもなります。当施設では散瞳(瞳を広げる点眼)による検査は行っていません。
眼圧検査は眼球内の圧力を測定するものです。緑内障などの目の病気の早期発見や治療効果に役立つ検査です。
健診にて指摘されやすい内容
糖尿病網膜症
糖尿病によって引き起こされる網膜の病変です。網膜は目の奥にある薄い神経の膜で、視覚情報を脳に送る重要な役割をはたしています。高血糖が長く続くと網膜の細い血管が損傷し、視力に影響を及ぼすことがあります。初期は自覚症状が乏しいため、糖尿病管理と眼科での定期検査が重要です。
緑内障
視神経が障害され視野が欠ける病気です。眼圧上昇が主な原因であり、視神経の形状や機能に変化が見られます。正常眼圧でも発症することがあり、自覚症状もほとんどないため、定期健診による早期発見が大切です。
加齢黄斑変性
網膜の中心部にある黄斑が加齢により障害され、視力低下や視界の歪みを引き起こす病気です。
5. 聴力
聴力検査はヘッドホンを装着して一定周波数の音を聞かせ、最小で聞こえる音圧レベル(dB)を測定する検査です。当施設の健診では日常会話の音域を代表する1000Hz、加齢や騒音による聴力低下が早期に現れる4000Hzの音域で検査を行います。聞こえに問題がある方や、難聴の予兆がある方を早期発見するために行われます。
聴力低下が疑われる主な原因
加齢性難聴(感音性難聴)
年齢とともに徐々に低下する聴力低下で、特に高音域の聞き取りが困難になる現象です。
騒音性難聴
職業や生活環境で大きな音に長期間さらされることによって引き起こされる聴覚障害です。予防(耳栓、騒音対策)が大切です。
伝音性難聴
外耳または中耳の異常(中耳炎、耳垢閉塞、耳硬化症など)によって音の振動がうまく伝わらず、音が小さく聞こえる難聴です。治療で改善することが多く、早めの受診と治療が大切です。
6. 呼吸機能
呼吸機能検査は息を吸ったり吐いたりする量や速度を測り、肺の換気能力を評価する検査です。代表的な指標は%肺活量(実測肺活量が予測値に対して何%か)と1秒率(努力性肺活量に対する最初の1秒間に吐き出す割合)で、これらから閉塞性(気道が狭くなる)や拘束性(肺が硬くなる)の障害を推定します。検査はマウスピースを使って力を入れて呼吸するため、検査を受ける方の協力が必須となります。
健診にて指摘されやすい内容
1秒率低下(閉塞性換気障害)
気道が狭くなっている状態を示します。COPD(慢性閉塞性肺疾患)、気管支喘息が疑われます。禁煙や適度な運動が必要です。
%肺活量低下(拘束性障害)
間質性肺炎、肺線維症、気管支喘息、COPD(慢性閉塞性肺疾患)、胸郭拘束などが疑われます。加齢や生活習慣の影響などが原因となり得る状態です。
混合性換気障害
閉塞性と拘束性の合併や進行したCOPD(慢性閉塞性肺疾患)、肺気腫を疑います。
7. 心電図
心電図(Electrocardiogram :ECG)は胸部や手足に電極を装着し、心臓が発する電気的活動を記録することで、心拍リズムや心筋の状態を評価する検査です。検査自体は短時間で終了し、痛みを伴うことはありません。
健診にて指摘されやすい内容
洞性徐脈・洞性頻脈
洞結節(心臓のペースメーカー)からの信号が遅い(徐脈)または速い(頻脈)状態です。スポーツ心臓では生理的に徐脈となることがあります。
上室期外収縮・心室期外収縮
心臓の一部から余分な電気信号が発生することで生じる不整脈です。単発で無症状の場合が多いですが、頻発する場合や、動悸・めまいなどの症状を伴う場合には精密検査が必要です。
房室ブロック・脚ブロック
房室ブロックは心房から心室への電気信号の伝達が遅れたり、遮断されたりする不整脈です。高度な房室ブロックではペースメーカーが必要となる場合があります。脚ブロックは、心室内の電気信号の伝達が障害されている状態を示します。
心房細動・心房粗動
心房が不規則、あるいは異常に早く規則的に震える不整脈です。動悸、息切れ、めまい、疲労感などの症状を認めることがあります。
虚血性変化(ST変化・陰性T波など)
心筋への血流不足によって心電図上に現れる変化です。狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患が疑われます。
左室肥大・高電位
高血圧や心肥大(心筋が厚くなる状態)を疑う所見です。一方で、痩せ型の方は生理的に高電位となり、偽陽性となることもあります。
R波増高不良(QRS変化)
過去の心筋梗塞や心筋症などを疑う所見です。健常者でも認められることがありますが、症状を伴う場合には精査が必要です。
WPW症候群
心房と心室の間に通常とは別の電気伝導路(副伝導路)が存在する状態で、頻脈発作を起こすことがあります。治療として、薬物療法やカテーテルアブレーション(異常経路の焼灼)が行われます。
8. CAVI/ABI
CAVI(Cardio Ankle Vascular Index)
心臓から足首までの動脈の硬さを数値化し、動脈硬化の進行度を評価する検査です。両腕および両足首にカフを巻いて測定します。CAVI値は、高いほど血管が硬くなっていることを示します。平均値より高い場合は、動脈硬化が進行している可能性があります。
ABI(Ankle-Brachial Index)
足首の血圧と上腕の血圧を測定し、その比率を算出することで、足の血流状態を評価する検査です。CAVIと同様に、両腕および両足首にカフを巻いて測定を行います。ABI値は左右それぞれで測定され、数値が低い場合には、下肢動脈の狭窄や閉塞が疑われます。
血液検査について
血液検査は、血液中のさまざまな成分を調べることで、体の状態や臓器の働きを確認する検査です。自覚症状がない段階でも異常を見つけることができ、病気の予防や早期発見に役立ちます。
検査結果には「基準値」があり、その範囲内であればおおむね問題ないと考えられます。
ただし、基準値を少し外れていても、必ずしも異常とは限りません。
体調や生活習慣(食事・運動・飲酒・睡眠など)の影響で、一時的に数値が変動することもありますので結果は1回だけでなく、継続して確認することが大切です。
異常がある場合は、早めに再検査や医療機関に受診をお勧めします。
9. 肝機能
血液中に含まれる酵素やタンパク質、代謝産物などを測定することで、肝臓の状態を総合的に評価することを目的としています。肝臓は沈黙の臓器といわれ、自覚症状が出にくいため、血液検査による客観的な評価が非常に重要です。
検査項目
AST(GOT)・ALT(GPT)
現在の肝臓機能を反映しており、肝臓の負担や疲労などで高くなることがあります。慢性肝炎や飲酒、脂肪肝、疲労などで高値となることがあります。
LDH
体の様々な細胞に含まれる酵素で、体に負担がかかると高くなることがあります。肝臓・心臓・筋肉などの働きや障害の有無をみる参考になります。
γ-GT(γ-GTP)
肝臓や胆道の疾患を反映する酵素で、飲酒量が多い人や脂肪肝、胆汁という消化酵素のうっ滞により高くなることがあります。
ALP
肝臓・胆道・骨の働きに関係する酵素で、胆汁の流れや骨の代謝で高くなることがあります。
TP(総蛋白)
血液中のタンパク質の量をみる検査で、栄養状態や肝臓・腎臓の働きの目安となります。
アルブミン
血液中の主要なタンパク質で、肝臓で作られます。栄養状態や肝機能の指標になります。
総ビリルビン
赤血球の分解で生じる物質で、肝臓や胆道の異常の際に上昇することがあります。
コリンエステラーゼ(ChE)
肝臓で作られる酵素で、肝機能や栄養状態の指標になります。肥満や栄養過多で上昇することがあります。
10. 膵機能
膵臓は、食べ物の消化を助ける働きをする成分(酵素)を出したり、血糖(血液中の糖)を調整するホルモンをつくったりと、体にとって大切な役割をしています。膵機能検査では、膵臓で作られる消化酵素(アミラーゼ)が炎症や腫瘤によって血液中に漏れ出ていないかを調べます。膵臓や唾液腺に負担がかかった状態、生活習慣やストレスなどでも上昇することがあります。
検査項目
アミラーゼ(AMY)
食べ物に含まれるでんぷん(糖質)を分解する酵素です。主に唾液や膵臓から分泌され、でんぷんを体が吸収しやすい形に変える働きをしています。膵臓の炎症やおたふく風邪(流行性耳下腺炎)などで上昇します。
11. 糖代謝
血液中の糖(血糖)の状態を調べ、体が血糖をうまく利用できているかをみる検査です。主に糖尿病やその予備群の早期発見を目的とした検査です。
検査項目
血糖
血液中の糖の量を表します。食事や運動、ストレスなどで変動します。高値の状態が続くと糖尿病の可能性があります。
HbA1c(ヘモグロビンA1c)
過去1〜2か月の平均的な血糖の状態をあらわします。血糖値が高い期間が長いほど数値が上がります。糖尿病の診断や経過観察の指標になります。
12. 脂質
脂質検査は血液中のコレステロールや中性脂肪の量を調べ、動脈硬化や生活習慣病のリスクをみる検査です。食事・運動・体重・飲酒・喫煙などの生活習慣の影響を受けやすいため、異常がある場合は生活習慣の見直しが大切です。
検査項目
総コレステロール
血液中に含まれるコレステロールの総量を示す値で、総コレステロールの値から脂質のバランスや動脈硬化のリスクの目安を知ることができます。
HDLコレステロール
血液中の余分なコレステロールを回収して肝臓へ運ぶ働きを持つ脂質です。動脈硬化を防ぐ作用があるため「善玉コレステロール」と呼ばれます。
LDLコレステロール
血管壁に蓄積しやすく、増加すると動脈硬化を進行させ、将来的に心筋梗塞や脳梗塞などの原因となる可能性があります。
中性脂肪
体のエネルギー源となる脂質の一つで、食事からとった脂肪や糖分は体内で中性脂肪として蓄えられ、必要に応じて使われます。食事の影響を受けやすいのが特徴です。
13. 腎機能
腎臓は、体の中の不要なものを尿として排出し、水分や塩分のバランスを保つ重要な役割があります。そのため、働きが悪くなると全身状態に影響が出ます。減塩、バランスのよい食事、適度な運動、十分な水分補給、禁煙や節酒といった生活習慣が、腎臓を守るためには大切です。
検査項目
BUN(尿素窒素)
たんぱく質の代謝でできる老廃物で、腎臓で処理されるため腎機能の目安になります。脱水や食事内容の影響でも変動することがあります。
クレアチニン
筋肉から出る老廃物で、腎臓の働きをみる重要な指標です。腎機能が低下すると数値が高くなります。体格(筋肉量)の影響を受けることがあります。
eGFR(推算糸球体ろ過量)
腎臓がどのくらい血液をろ過できているかを示す指標です。数値が低いほど、腎機能の低下が疑われます。
14. 痛風
痛風検査では、血液中の尿酸の濃度を測定します。尿酸は体の中で古くなった細胞や食べ物に含まれる成分が分解される際にできる老廃物の一つです。通常は腎臓から尿として排泄されますが、産生が増え、排泄がうまくいかなくなると血液中にたまりやすくなります。この尿酸が多い状態が続き関節の炎症を起こしている状態を痛風といいます。尿酸値が高くても症状がないことが多いため、血液検査で早めに気づくことが大切です。予防や改善には、食事内容の見直し(プリン体の多い食品やアルコールの摂取を控える)、適度な運動、体重管理、水分を十分にとるなど生活習慣の見直しが大切です。
15. 電解質
電解質(ナトリウム、カリウム、クロール)は体の水分バランスを整え、筋肉や神経の働きを正常に保つために重要な役割をしています。この電解質のバランスがくずれると、だるさやけいれん、不整脈などの症状が出ることがあります。
16. 血液一般
血液一般検査は、血液中の赤血球、白血球、血小板などの数や状態を調べ、貧血や感染症、血液疾患などの有無を評価する基本的な検査です。
検査項目
RBC(赤血球)
酸素を全身に運ぶ役割をしており貧血の有無や体の状態の目安を知ることができます。
WBC(白血球)
感染や異物から体を守る免疫の中心的な働きをします。
Hb(血色素)
赤血球の中にある成分で、酸素を体中に運ぶ役割をしています。
ヘマトクリット
血液全体の中で、赤血球が占める割合(%)を表したものです。
血小板数
出血を防ぎ、体を守るために血を固める働きをします。
赤血球恒数
赤血球の大きさ、血色素の濃さ・量を数値で表したもので、貧血の種類を見分けるのに役立ちます。
Fe(血清鉄)
血色素の材料となり、酸素を運ぶ働きを支えます。
17. 尿定性・尿沈渣
尿検査は尿中の糖・蛋白・潜血・比重・pH(尿の酸性・アルカリ性の程度)・沈渣(顕微鏡で見る細胞や結晶)を調べ、腎臓や尿路(腎臓から尿道まで)の状態を把握する基本検査です。
検査項目
尿定性
尿中の糖・蛋白・潜血などの有無をみる検査で、健診の必須項目です。
尿沈渣(にょうちんさ)
赤血球・白血球・上皮などの細胞や結晶成分などの有無や数を調べます。
18. 便検査(便潜血)
便の中にごく少量だけ混じる血液(目では見えない血)を調べる検査です。大腸のトラブルを早く見つけるための体に負担の少ないチェック方法として行われます。2日に分けて便をとって調べる方法が推奨されています。月経や痔、薬の影響、食事(赤身のお肉など)によって、一時的に陽性になることもあります。
19. 胃がんリスク(ABC検診)
血液検査(ピロリ菌抗体・ペプシノゲン)により、胃の健康状態と将来的ながんリスクを評価する検査です。
ピロリ菌抗体検査
ピロリ菌は胃の粘膜に慢性的な炎症を引き起こし、胃がんの発生に関与するとされています。血液中の抗体を測定することで、現在または過去の感染の有無を確認します。
- 陰性:感染の可能性は低いと考えられます。
- 陽性:現在または過去の感染が示唆されます。
ペプシノゲン検査
ペプシノゲンは胃の粘膜から分泌される物質で、その値のバランスから胃粘膜の状態(萎縮の程度)を評価できます。
ABC分類(胃がんリスク分類)
2つの検査を組み合わせ、胃がんのリスクをA〜Dの4段階で評価します。
- A群(低リスク) :ピロリ菌感染なし・萎縮なし
- B群(中等度リスク) :ピロリ菌感染あり・萎縮なし
- C群(高リスク) :ピロリ菌感染あり・萎縮あり
- D群(より高いリスク) :ピロリ菌感染なし・萎縮あり
※ この検査は胃がんの有無を直接診断するものではありません。リスク分類に応じて、内視鏡検査などの精密検査をご案内します。
20. 炎症反応(CRP定量)
CRP(定量)は、体の中で炎症や感染が起きているときに増えるたんぱく質です。血液中の値を調べることで、体に炎症があるかどうかの目安となります。CRPは「炎症の有無」をみる検査であり、異常の原因となる部位や病気を特定するものではありません。そのため、症状や他の検査とあわせて判断することが大切です。
21. 腫瘍マーカー
腫瘍マーカー検査は、血液などの中に含まれる「がんに関連する物質」を測定する検査です。がん細胞や、それに反応した体の組織から産生される物質(たんぱく質など)を調べます。腫瘍マーカーはがん以外の良性疾患や炎症、体調の変化でも高値となることがあるため、単独でがんの診断を確定することはできません。画像検査や他の検査結果とあわせて総合的に評価することが重要です。
検査項目
CEA
消化器系を中心に多くのがんで上昇します。再発や転移の経過観察に有用ですが、喫煙や炎症などでも上昇することがあります。
CA19-9
主に膵臓や胆道系のがんで上昇します。胆石や胆のう炎などの良性疾患でも上昇することがあります。
SCC抗原
肺、食道、子宮頸部などの扁平上皮がんで上昇します。皮膚や呼吸器、食道などのがんで高値となりますが、炎症性疾患でも上昇することがあります。
AFP定量
主に肝細胞がんで上昇します。肝炎や肝硬変などでも上昇することがあります。
PSA
前立腺に関連する腫瘍マーカーで、前立腺がんの診断や経過観察に用いられます。前立腺肥大や前立腺炎でも上昇することがあります。
CA125
主に卵巣がんで上昇します。月経や妊娠、子宮内膜症などでも上昇することがあります。
CA15-3
主に乳がんの経過観察に用いられ、進行がんや再発時に上昇することがあります。
PIVKA-Ⅱ
主に肝細胞がんで上昇します。ビタミンK欠乏、胆道閉塞、肝機能障害、抗凝固薬(ワルファリンなど)の使用時にも上昇することがあります。
APOA2-i
膵がんの早期発見を目的とした新しい腫瘍マーカーです。日本医科大学で臨床開発されました。膵臓の機能変化を反映するとされています。膵臓の嚢胞性病変、一部の膵炎、膵臓の外分泌機能異常でも陽性になることがあります。
22. 心機能
心機能の血液検査は、血液の中にある特定の物質を調べて、心臓にどのくらい負担がかかっているかを確認する検査です。心臓は全身に血液を送る大切な役割をしており、働きが低下すると息切れやむくみなどの症状が出ることがあります。この検査では、そうした体の変化を数値としてわかりやすく確認することができます。
検査項目
NT-proBNP
心臓に負担がかかると分泌されるホルモンの一種で、数値が高いほど心臓への負担が大きい可能性があります。年齢や腎機能の影響でも上昇することがあります。
トロポニンT
心筋(心臓の筋肉)が障害を受けた際に血液中に放出されるタンパク質で、心筋障害の有無を評価する重要な検査です。
CPK(CK)
筋肉(骨格筋・心筋・脳)に含まれる酵素で、筋肉が障害を受けると上昇します。
23. 感染症
感染症の血液検査は、血液中に含まれるウイルスや細菌、またはそれに対する免疫反応(抗体など)を調べることで、感染の有無や過去に感染したことがあるかを判断することができます。
検査項目
HBs抗原
B型肝炎ウイルスに現在感染しているかどうかを調べる検査です。放置すると肝硬変・肝がんへ進行するリスクがあります。
HCV抗体
C型肝炎ウイルスに感染したことがあるかを調べる検査です。 放置すると肝硬変・肝がんへ進行するリスクがあります。
梅毒(TP抗体・RPR)
梅毒菌に対する抗体を調べる検査です。性行為などで感染する細菌性感染症です。感染初期はしこりや発疹、進行すると全身症状が現れます。感染力が高く、症状が一時的に消えることもあるため、放置しないことが重要です。
HIV検査
HIV(ヒト免疫不全ウイルス)への感染の有無を調べる検査です。感染すると免疫力が徐々に低下し、さまざまな病気にかかりやすくなります。早期発見・治療が重要です。
24. STI(性感染症)
Sexually transmitted infections(STI):性感染症は性行為を介して感染する病気の総称です。自覚症状がない場合でも感染していることがあるため、早期発見が重要です。
検査項目
クラミジア感染症
男女ともに多く、無症状のことも多い感染症です。放置すると不妊の原因となることがあります。
淋病(淋菌感染症)
感染力が非常に強く、排尿時の痛みや分泌物の変化などがみられます。
トリコモナス感染症
膣炎などを起こし、感染すると不妊や流産の原因になることがあります。
※ 陽性の場合は、早期の治療および必要に応じて専門医受診をご案内いたします。
25. ウイルス抗体
ウイルス抗体検査は、血液中にある「抗体価」を調べることで、そのウイルスに対する感染の有無や、過去にそのウイルスに感染した可能性を確認する検査です。
抗体とは、体がウイルスに対して作る防御のしくみで、感染後やワクチン接種後に作られ免疫(抵抗力)があるかどうかの目安となります。
検査項目
麻疹抗体
麻疹(はしか)に対する免疫の有無を調べます。
風疹抗体
風疹に対する免疫の有無を調べます。
ムンプス抗体
おたふくかぜ=ムンプス(流行性耳下腺炎)に対する免疫の有無を調べます。
水痘抗体
水ぼうそう(水痘)の原因となるウイルスに対する免疫を調べます。
26. 甲状腺機能
甲状腺機能の検査では、首にある甲状腺という臓器が分泌するホルモンの量を調べ、体の代謝(エネルギーの使い方)が正常に保たれているかを確認します。
検査項目
TSH(甲状腺刺激ホルモン)
脳から分泌され、甲状腺に体のエネルギー代謝を調整するホルモンを出すよう指示を伝える指令ホルモンです。甲状腺機能の状態をみる基本的な指標です。
FT3(遊離トリヨードサイロニン)
甲状腺から分泌されるホルモンで、代謝(エネルギーの使い方)を調整する働きがあります。
FT4(遊離サイロキシン)
甲状腺から分泌されるホルモンで、体の代謝を調整します。甲状腺機能の状態を反映します。
27. アレルギー検査
アレルギー検査(血液検査)は、血液中の抗体(IgE)を調べることで、どのような物質に対してアレルギー反応を起こしやすいかを確認する検査です。
検査項目
Viewアレルギー39
アレルギーの原因となることが多い、39項目のアレルゲンに対する特異的IgE抗体価を調べる検査です。
28. ビタミンD・亜鉛
検査項目
ビタミンD検査
ビタミンDは、骨や免疫・生殖器機能にかかわる大切な栄養素で、腸でのカルシウム吸収を助ける働きがあります。当施設では体内の25OHビタミンDの状態を確認し、不足や過剰の有無を調べます。
亜鉛検査
亜鉛は体にとって必要なミネラルで、味覚や皮膚の健康、免疫の働き、傷の治り、生殖器機能などに関わっています。血中亜鉛は体内の亜鉛の状態を確認し、不足や過剰の有無を調べます。
29. 抗ミュラー管ホルモン(AMH)
抗ミュラー管ホルモン(AMH)検査は、卵巣に残っている卵子の数(卵巣予備能)の目安となり、血液中のAMH値の濃度を調べる検査です。
30. PET-CT検査
PET-CT検査(Positron Emission Tomography - Computed Tomography)は、細胞の活動状態を見る「PET検査」と、臓器の形を詳しく見る「CT検査」を同時に行い、画像を重ね合わせることで病変を正確に特定する検査法です。
主にがんの早期発見、転移や再発の診断、治療効果の判定などに活用されています。
| 体の部位 (検査部位) |
発見される主な疾患 |
| 頭頸部・胸部 | 肺がん、咽頭がん、喉頭がん、甲状腺がん、食道がん、乳がん |
|---|---|
| 腹部・消化器 | 大腸がん、直腸がん、膵がん |
| 骨盤部 | 子宮がん、卵巣がん |
| その他のがん | 悪性リンパ腫、悪性黒色腫、原発不明がん |
| がん以外の疾患 | 認知症の早期発見、てんかんの焦点診断 |
| 心筋梗塞後の心筋生存能力の評価 |
健診結果には、放射線科医師による詳細なレポートが掲載されています。
31. MRI検査
強力な磁石と電波を利用して体内の臓器や血管を撮影する精密検査です。
特に頭部や脊椎、四肢などの関節といった比較的動きが少ない部位の検査を得意としています。
放射線被ばくがなく、脳、神経、筋肉などの軟部組織や、血管の断面図を非常に鮮明に映し出せるのが特徴です。
| 体の部位 (検査部位) |
発見される主な疾患 |
| 脳・頭部 | 脳血管疾患(脳卒中、脳腫瘍等)、脳奇形、外傷、変形型疾患 など |
|---|---|
| 心臓 | 虚血性心疾患・狭心症・心筋梗塞 造影剤を使用する事により 心筋の線維化等の評価・心筋壁運動評価・心機能評価 など |
| 乳房 | 乳がんなど(ハイリスクサーベイ専用※1) |
| 肝臓・胆嚢・胆道・膵臓 | 肝臓がん、胆嚢がん、胆道がん、膵臓がん など |
| 子宮・卵巣 | 子宮がん、卵巣がん など |
| 前立腺 | 前立腺癌がん など |
健診結果には、放射線科医師による詳細なレポートが掲載されています。
※1 造影剤を使用した乳房MRI検査は、乳がんの検出能が最も高く乳がんハイリスクの方の検診に推奨されています。
乳がん・卵巣がん未発症のBRCA1/2変異陽性の方のサーベイランスMRI、乳がんの家族歴が濃厚な方の検診MRIを行います。
32. 頸動脈超音波
頸動脈超音波検査では血管壁の厚みやプラーク(血管壁にたまった脂質の塊)の有無、血管内が狭くなっている様子を観察します。動脈硬化の進行度や脳梗塞リスクの評価に有用です。
検査項目
動脈硬化(プラーク)
血管壁の肥厚は主に生活習慣の影響を反映し、動脈硬化を示唆します。動脈硬化が進行するとプラークが形成され、その存在は脳梗塞や一過性脳虚血発作のリスクを高めるため、生活習慣の改善や薬物療法による治療が検討されます。
血管狭窄
動脈硬化が進行し血液の通り道が狭くなった状態を血管狭窄といいます。狭窄により脳に行く血流が減少したり、プラークが剥がれて脳の血管を詰まらせることで脳梗塞を引き起こす可能性があります。
33. CT検査
CT検査は、X線を用いて身体の断面(輪切り)を短時間で撮影できるため、特に頭部(出血)、胸部(肺・血管)の急性期疾患やがんの検出に非常に優れています。
| 体の部位 (検査部位) |
発見される主な疾患 |
| 脳・頭部 | 脳出血、くも膜下出血、頭部外傷(骨折)、急性期脳卒中 |
|---|---|
| 胸部 | 肺がん、肺炎、気胸、間質性肺炎、大動脈解離、胸部大動脈瘤、心臓の血管の石灰化 |
| 検査名 | 評価項目 | 基準値 |
| 内臓脂肪CT | 内臓脂肪面積(VFA) | 正常:<100cm2 肥満:≧100cm2 |
| 冠動脈CT | 石灰化スコア (Agatstonスコア) |
石灰化なし:0 ごく軽度の石灰化:1-10 軽度の石灰化:11-100 中等度の石灰化:101-400 高度の石灰化:>400 |
健診結果には、放射線科医師による詳細なレポートが掲載されています。
34. 内臓脂肪型肥満とは
内臓脂肪は皮下脂肪と異なり、肝臓や腸管周囲に蓄積する脂肪です。
BMI が正常範囲でも内臓脂肪が多い「隠れ肥満」も存在します。
| 内臓脂肪型肥満のリスク | |
| メタボリックシンドローム | 内臓脂肪面積 100 cm² 以上に加え、臍位ウエストも基準値超。 高血 糖・高血圧・脂質異常症のうち 2 項目以上が加わると、メタボリック シンドロームの診断基準に該当します。 心筋梗塞・脳卒中のリスクが 健常者の約 2〜3 倍とされています。 |
|---|---|
| インスリン抵抗性 2型糖尿病 |
内臓脂肪から分泌される遊離脂肪酸がインスリン抵抗性を引き起こし ます。 |
| 脂肪肝(MASLD) | 内臓脂肪の増加は肝臓への脂肪蓄積と密接に関連します。 放置すると 肝炎・肝硬変・肝細胞癌へ進行する可能性があります。 |
| 動脈硬化・心血管疾患 | 内臓脂肪型肥満は LDL コレステロール上昇・HDL 低下・中性脂肪上 昇を引き起こしやすく、冠動脈疾患リスクと関連します。 |
| 改善のためにできること | |
| 有酸素運動を週150分以上 | ウォーキング・水泳・自転車など中等度の有酸素運動が内臓脂肪の減少に有効とされています。 |
|---|---|
| 精製糖質・飽和脂肪酸の摂取制限 | 白米・白パン・砂糖飲料の過剰摂取は内臓脂肪蓄積の主因のひとつです。 |
| アルコール摂取量の見直し | 純アルコール換算で1日20g以下(日本酒1合相当)への制限が推奨されます。 |
| 睡眠・ストレス管理 | 7〜8時間の睡眠確保と、ストレス軽減のための習慣化が有益です。 |
35. 心臓超音波
心臓超音波検査は、超音波を用いて心臓の大きさや動き、弁の状態、血液の流れなどを詳細に評価する検査です。ベッドに横向きでお休みいただき、胸に超音波プローブをあてて検査を行います。放射線被ばくがなく、身体への負担が少ない検査です。
心電図や胸部レントゲンだけでは分かりにくい、心臓の構造的異常や機能異常を確認できるため、生活習慣病に伴う心疾患の早期発見にも有用です。
健診にて指摘されやすい内容
虚血性心疾患(狭心症・心筋梗塞)
心臓に血液を送る冠動脈が狭くなる病気を狭心症、閉塞して心筋が障害される病気を心筋梗塞といいます。心臓超音波検査では、心筋の動きや収縮力の異常から虚血性心疾患が疑われる場合があり、狭心症の段階で異常を捉えることで、将来的な心筋梗塞の予防や早期治療介入につなげます。
弁膜症
加齢などに伴い、心臓の弁が硬く狭くなったり、逆流を生じたりすることがあります(大動脈弁狭窄症、僧帽弁閉鎖不全症など)。
心臓超音波検査では弁の状態や重症度を評価し、将来的な治療介入の必要性について確認します。
心肥大・心筋症
高血圧などの影響で心臓の壁が厚くなったり、心筋そのものの異常により心機能が低下したりすることがあります。
こうした変化は心不全や不整脈の原因となるため、早期発見が重要です。
心不全の兆候
心臓の収縮力低下、心臓の拡大、弁の異常による逆流などを確認します。
症状が現れる前の段階でも異常が見つかることがあり、予防的な生活改善や治療介入に役立ちます。
36. 胸部X線(レントゲン)検査
肺や心臓、気管、肋骨、横隔膜などの状態を画像として記録する検査です。
健診や人間ドックで最も一般的に行われる検査のひとつで、肺がんや結核、肺炎、心臓肥大などの病変を早期に発見するために重要な役割を担っています。
| 発見・診断される主な疾患・状態 |
| 肺がん |
| 肺炎・気管支炎 |
| 結核 |
| 肺気腫・COPD(慢性閉塞性肺疾患) |
| 気胸(肺に穴が空く病気) |
| 心肥大・心不全の兆候 |
| 胸水(肺や心臓の周りに水がたまる) |
37. 上部消化管造影(バリウム)検査
胃透視(上部消化管X線検査・バリウム検査)は、発泡剤で胃を膨らませ、バリウムを付着させてレントゲン撮影を行う検査です。胃の「全体的な形状」「位置」「粘膜の凹凸(特に大きな病変)」を観察することに優れています。
| 発見される主な疾患 |
| 胃がん・食道がん: 特に進行がん(90-95%の検出率) |
| 胃潰瘍・十二指腸潰瘍: 潰瘍の深い陥凹(へこみ) |
| ポリープ: 粘膜の隆起 |
| 粘膜下腫瘍: 胃の壁の下から出っ張る腫瘍 |
| 胃下垂: 胃全体の位置や形 |
| 食道裂孔ヘルニア: 胃の一部が横隔膜の上に食い込んでいる状態 |
| 慢性胃炎(萎縮性胃炎): 胃の粘膜のヒダの様子 |
38. 上部消化管内視鏡(胃カメラ)
鼻または口から内視鏡を挿入し、食道・胃・十二指腸の粘膜を観察する検査です。
健診にて指摘されやすい内容
逆流性食道炎
胃の内容物が食道に逆流し、食道の粘膜がただれた状態です。
バレット食道
胃酸の逆流が続くことで、食道の粘膜が変化した状態です。状態によっては、食道がんのリスクとして定期的な経過観察が必要となる場合があります。
胃潰瘍・十二指腸潰瘍
胃や十二指腸の粘膜に深い傷ができた状態です。ピロリ菌感染や痛み止めの使用、悪性腫瘍などが原因となり、精密検査や治療が必要です。
胃がん
胃の粘膜から発生するがんです。早期に発見できれば治療効果が高いため、定期的な検査が重要です。
ピロリ菌感染
胃の粘膜に細菌が感染している状態です。胃炎・胃潰瘍・胃がんリスクと関連するため、除菌治療をお勧めします。
39. 下部消化管内視鏡(大腸カメラ)
肛門から内視鏡を挿入し、大腸の全域を観察する検査です。ポリープが見つかった場合は、その場で切除(ポリペクトミー)できることもあります。
健診にて指摘されやすい内容
大腸ポリープ
大腸の粘膜にできるイボ状のふくらみです。良性のものが多いですが、一部は悪性(大腸がん)を含み、がんへ進行する可能性があるため、定期的な検査や切除が重要です。
大腸がん
大腸の粘膜から発生するがんです。早期発見であれば内視鏡で切除できる場合もあります。
憩室症(けいしつしょう)
腸の壁の一部が袋状にくぼんだ状態です。多くは無症状ですが、炎症・出血を起こすことがあります。
40. 腹部超音波
腹部超音波検査は超音波を用いて肝臓・胆のう・膵臓・腎臓・脾臓・腹部大動脈などを観察し、臓器の大きさ・形・腫瘍・結石・のう胞・脂肪肝などを確認します。痛みもなく、放射線も使わないため安全に実施できます。
健診にて指摘されやすい内容
脂肪肝
肥満・アルコール・糖尿病に関連し、進行すると肝硬変や肝がんのリスクがあります。
肝血管腫・肝嚢胞
多くは良性で無症状ですが、大きさや形で経過観察が必要な場合があります。
胆嚢ポリープ・胆石
胆嚢ポリープは多くが良性のコレステロールポリープですが、増大傾向や一定サイズ以上で精密検査が必要です。胆石は無症状が多く、症状が出れば手術適応となることがあります。
膵嚢胞・膵管拡張
膵嚢胞は膵臓の内部に形成される液体を含む袋状の構造物です。多くの場合は無症状で健診などで偶然発見されることがあります。大きさが5mm以上の嚢胞や複雑な嚢胞は経過観察や精密検査が必要です。膵管拡張は膵臓内の膵管が通常より太くなり、膵液の流れに異常が生じている状態です。
腎結石・水腎症
結石は腎臓内に石のような結晶が形成される状態です。結石の大きさや位置によって激しい痛みを伴う場合がありますが、小さな結石は自然に排出されることが多いです。また結石などによって尿の通路が狭くなること、閉塞することが原因で、腎臓に尿がたまった状態を水腎症といいます。
腹部大動脈瘤(AAA)
腹部にある大動脈が瘤状に膨らんだ状態です。瘤の大きさが4cm以上で専門受診、施設によっては5cm以上で手術検討の目安とされています。破裂は生命に関わるため経過観察と管理が重要です。
注)肥満や腸ガスで描出不良となることがあります。
41. 骨塩定量(骨密度)検査
骨塩定量(骨密度)検査は、主にDXA(デキサ)法を用いて骨に含まれるカルシウムなどのミネラル量を測定し、骨の健康状態を評価する検査です。
最も精度が高いとされるのは、骨折しやすい部位である以下の2箇所です。
腰椎(腰の骨)
骨粗鬆症の診断基準として最も標準的です。
大腿骨近位部(股関節の付け根)
寝たきりの原因となる骨折が起きやすい部位です。
(オプションにて「骨格筋肉量測定」を行うことも可能です。)
| 検査名 | 評価項目 | 基準値 |
| 骨密度測定 | YAM値 (若年成人比較値) |
正常:80%以上 骨量減少:70%~80% 骨粗しょう症:70%以下 |
| 骨格筋肉量測定 | SMI値 (四肢の骨格筋量を 身長の二乗で割った値) |
正常:男性 ≧7kg/m2 女性 ≧5.4kg/m2 低下:男性 <7kg/m2 女性 <5.4kg/m2 |
| 発見・診断される主な疾患・状態 | |
| 骨粗鬆症 | 骨密度が低下し、骨がスカスカになり骨折しやすくなる病気の診断 |
|---|---|
| 骨減少症 | 骨粗鬆症の一歩手前で、将来的に骨折リスクが高まる状態の発見 |
| 代謝性骨疾患 | 骨の代謝異常に関わる疾患 |
42. マンモグラフィ検査
マンモグラフィ
乳がん検出を目的とした乳房専用のX線撮影です。乳房を圧迫し、薄く伸ばし撮影します。
乳房にしこりを触れないタイプの早期乳がんや石灰化の検出にも優れています。
3Dマンモグラフィ
通常のマンモグラフィ(2D)撮影後に、そのままの状態で続けて断層(3D)撮影を行います。
2Dマンモグラフィと比較すると、乳腺の重なりが減少した画像が得られ、乳がんの検出能が上昇する事から、乳腺の割合の多い高濃度乳房に対して有用です。
43. 乳房超音波検査
乳房にプローブを当てて、乳房内の病変を検出します。検査による痛みはありません。特に若年者や乳腺量が多くマンモグラフィで判別しにくい高濃度乳房の方に推奨されます。
健診にて指摘されやすい内容
がん
乳腺組織に発生する悪性腫瘍で、女性に最も多いがんです。疑いがある場合は精密検査が必要です。
嚢胞
液体がたまった袋状の病変です。良性病変であり、通常は問題ありませんが、嚢胞内部に構造物が見られる場合は経過観察や精密検査が必要です。
線維腺腫
若年者に多い良性腫瘍です。大きさの変化の経過観察が推奨されます
44. 婦人科内診
内診台で行う視診や触診、経腟超音波検査等で、子宮や卵巣の状態、腫瘤の有無などを確認します。特に経腟超音波検査では内診にて発見が難しい小さな病変の早期発見に有用です。
健診にて指摘されやすい内容
子宮筋腫
子宮の筋肉組織にできる良性の腫瘍です。症状がない場合も多いですが、大きさや位置によっては経過観察や治療が必要です。
子宮内膜症
子宮内膜に似た組織が子宮の外で増殖する疾患です。生理痛の悪化や不妊の原因になることがあります。
卵巣囊腫
卵巣が袋状に腫れた状態です。多くは良性ですが、大きくなると手術が必要になる場合があります。
頸管ポリープ
子宮頸部にできる小さなイボ状の突起です。多くは良性ですが、不正出血の原因になることがあります。
子宮腺筋症
子宮内膜の組織が筋肉層に入り込む疾患です。不妊・生理痛との関連があります。
チョコレート嚢胞
子宮内膜症により卵巣に古い血液が溜まった状態です。まれにがん化することがあるため、定期的な診察が必要です。
卵巣がん
卵巣に発生した悪性腫瘍です。早期は無症状のことが多いため、定期的な超音波検査が重要です。
45. 子宮頸部細胞診
子宮頸がんの早期発見や、前がん病変(異形成)の検出を目的に行われる検査です。子宮の入口(頸部)を専用の器具でこすって細胞を採取します。
健診にて指摘されやすい内容
異形成
がんの「前段階」の状態です。自覚症状はほとんどなく、検査で発見されます。すぐにがんというわけではありませんが、経過観察や精密検査が必要です。
子宮頸がん
子宮頸部にできるがんです。初期は無症状のことが多く、進行すると不正出血・おりものの変化・下腹部痛などが現れます。早期発見が治療効果に大きく影響するため、定期的な検査が重要です。
HPV(ヒトパピローマウイルス)感染
子宮頸がんの主な原因となるウイルスです。多くは免疫の働きにより自然に排除されますが、感染が長く続くと異形成や子宮頸がんへ進行することがあります。
46. 子宮体部細胞診
子宮の奥の細胞を採取し、子宮内膜がんの早期発見を目的とした検査です。
健診にて指摘されやすい内容
子宮内膜異型増殖症
がんの前段階の状態です。女性ホルモン(エストロゲン)の過剰な作用により子宮内膜が異常に厚くなります。主な症状は不正出血・過多月経です。
子宮体がん
子宮の奥(体部)にある内膜から発生するがんです。閉経前後の方に多く、主な症状は不正出血です。早期に発見しやすいがんの一つです。
47. メタボリックシンドローム判定
内臓脂肪の蓄積に加え、生活習慣のリスクが重なった状態を「メタボリックシンドローム」といいます。動脈硬化や心筋梗塞・脳卒中などのリスクが高まるため、生活習慣の見直しが重要なサインです。
判定基準
腹囲(内臓脂肪)の基準を超え、以下のうち2項目以上が該当する場合に「メタボ」と判定されます。
- 血圧が高い
- 血糖値が高い
- 脂質異常(中性脂肪が高い・HDLコレステロールが低い)
判定区分
- 非該当:現在はリスクが低い状態です。
- 予備軍:今のうちの改善で予防が可能な段階です。
- 該当:生活習慣病のリスクが高い状態です。早めの生活習慣の見直しをお勧めします。
48. 特定健診・特定保健指導
生活習慣病の予防を目的に、健診結果からリスクに応じたサポートを行う仕組みです。
判定区分とサポート内容
- 非該当:情報提供(結果の見方や生活アドバイス)
- 予備軍:動機付け支援(中等度リスク/面接などで改善のきっかけづくり)
- 該当:積極的支援(高リスク/積極的なサポート・目標設定)
保健指導とは
生活習慣の予防・改善を目的に、食事・運動などの見直しをサポートするプログラムです。無理な制限ではなく、継続できる改善を一緒に考えます。対象となった方は、ぜひご活用ください。



